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▼アキグミ群落ができあがっていく過程
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河原が荒廃地となる
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すぐにカワラハハコやカワラヨモギ、
ムシトリナデシコとともにアキグミが芽生える
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3年目でアキグミは高さ1mほどになる
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4年目で高さ1.5mほどのアキグミ疎林になり
果実をつけるようになる

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地表がスナゴケで黄緑色に覆われると
それ以降新たなアキグミは芽生えない
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10年たつとアキグミ群落は3mほどの高さになり
林床には砂や有機物が堆積してくるため
初期に生えたカワラハハコやカワラヨモギは消滅し
代わってヨモギやススキ、ノイバラなどが生えてくる
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この状態はさらに10〜20年続くが
徐々にアカマツやハリエンジュなどが入り込んでくると
日陰になったアキグミは枯れてしまう
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▼アキグミの果実
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芽生えから4年ほどたつとアキグミは実をつけるようになり、10月末か11月始めになると赤い実がなります。アキグミの実は渋くて酸っぱくて少し甘く、そのまま食べる以外に、ジャムやゼリー、ドレッシング、グミ酒などに加工されます。
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9月中旬のアキグミの実
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10月下旬のアキグミの実
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▼アキグミが栄養分や水分に乏しい荒廃地でも成長できる理由
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その秘密はアキグミの根、毛、枝にあります。
- 根:アキグミはチッ素分を供給してくれる根粒菌を根に宿らせています
- 毛:全身に密生させた銀白色の鱗状の毛が水分の蒸発を防ぎます
- 枝:アキグミは地面の生え際から枝を何本も出す性質を持っており、出水で枝をもぎ取られた場合でも新しい枝を再生することができます
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▼氾濫原の植生
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勾配のある扇状地には主として砂レキがたまり、河川勾配がゆるくなる下流部には砂より軽い泥がたまります。水分の多い泥ばかりが堆積する場所にはネコヤナギやタチヤナギ、泥とレキがまざった場所にはイヌコリヤナギやカワヤナギ、コゴメヤナギなどが生えます。アキグミの群落ができるのは、扇状地の中でも泥の全くない砂レキ地に限られます。 |
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▼参考文献
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■長井真隆「とやま植物誌」、シー・エー・ピー(1994)
■太田道人「アキグミ」とやま植物物語、シー・エー・ピー(2000)
■太田道人「黒部川の植物」黒部川物語、ハート工房(2001)
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