愛本刎橋
(あいもとはねばし)

地区
宇奈月
地域区分
扇頂部
テーマ
2
分野
土木工学

場所
黒部市宇奈月町下立地区内
所有者・管理者
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電話番号
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愛本刎橋江戸時代(1662年)から明治時代にかけて愛本に架かっていた橋で、岩国の錦帯橋、甲斐の猿橋とともに「日本三奇橋」と言われていた。その特徴は、両岸から大木が斜めに刎ね出し、その上に橋桁を載せる構造の橋で、1820年の絵図によると長さ63.5m、通行する部分の幅は約3mの巨大なものであった。刎木は縦に7段で、それぞれの厚さは50cm以上の巨材であり、一番底には槻の刎木が9本並んでいた。その他の刎木は杉木が使われ、最も長いもので10丈近いものと記されている。刎橋は、木造橋梁であったため、耐用年数は20−30年と言われ、架け替えは8回行われたという。橋の架け替えには長いもので10年の月日を要したため、渡し船が運航していた。渡しは川の両岸に綱を張り、それを手繰りながら船を進める繰舟(くりぶね)であったと言う。1/2に復元された刎橋は、うなづき友学館で見るとこができる。

位置図
(■1/50,000 □1/25,000 □1/10,000)
 
 
備 考
「黒部川のあゆみ」
建設省黒部工事事務所, p.164-170(1977)

「日本無双の名橋 秘峡黒部の愛本橋」
宇奈月町教育委員会(1998)

「黒部川流域ガイドブック ガイド編」
国土交通省黒部河川事務所, p.18-19(2006)

「富山大百科事典上巻」
北日本新聞社, p.7(1994)

「河川の歴史読本 黒部川」
国土交通省黒部河川事務所,p.20-21(2004)