水防資材(若栗)
すいぼうしざい(わかぐり)

地区
黒部市
地域区分
扇央
テーマ
3
分野
土木工学

場所
黒部市若栗堤防道路内
所有者・管理者
黒部市・国交省黒部河川事務所
電話番号
 
 地域ごとの洪水対応の姿が、形として存在しているのは、水防資材を保管している「水防倉庫」で、左岸は黒部市、右岸は入善町が設置しています。河川管理者である国土交通省が管理する倉庫は、「緊急資材庫」の名称で呼ばれ、堤防を守る補完の役割を果たしています。水防倉庫は、黒部川堤防沿いに数箇所あり、「黒部川重要水防箇所」の付近で目にします。
 明治以後の近代治水の進展で、住民が治水と利水に直接関わることが少なくなりましたが、地域に蓄積されてきた洪水対応の知恵が「水防」です。水害の警戒、防御、人命と財産を浸水から守り、被害を最小限にとどめるための活動が、水防活動です。自分たちの土地を守るために、河川の監視や巡視、洪水時に堤防の安全を守る水防工法を磨いた、地域の「水防」の伝統を伝えています。ただ水防の実務を担っている消防団や地域組織などは、高齢化と人員の減少に悩んでいる現状にあります。
地域水防と共に育ってきた水文化を伝え、守っていきたいものです。黒部川の場合は、河川管理者が河川整備に当たり、地域の水防思想を組み入れて反映させ、互いに協調しています。
(みずはく「地域学芸員」記)


位置図
(□1/50,000 ■1/25,000 □1/10,000)
 
 
備 考
国交省ホームページ・黒部河川事務所発行「事業概要」
高橋裕著 「川と国土の危機」 岩波新書

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