愛本新遺跡
(あいもとしんいせき)

地区
黒部市
地域区分
旧扇状地
テーマ
2
分野
歴史

場所
黒部市宇奈月町愛本新274番地
所有者・管理者
黒部市宇奈月庁舎、教育委員会(問合せ先)
電話番号
0765-54-2111
 黒部川扇状地の扇頂、愛本峡から約3km黒部川右岸の河岸段丘にこの遺跡はあります。
 扇状地周辺の人の活動は縄文期より黒部川の左・右岸の山沿いにへばりつくように営まれていました。扇状地周辺の縄文遺跡マップはその遺構とともに、集落との繋がりを想像するのも楽しいものです。この遺跡は明治末年に早川荘作らの収集活動により、特色ある遺物として注目されていました。昭和44年遺跡周辺が圃場整備対象となり、発掘調査が実施されました。本遺跡は縄文時代の中期5千年から2千5百年ごろ前の狩猟採取時代のもので、生活の場であった竪穴住居跡、炉跡などが発掘され、遺物は縄文後期、晩期の土偶や土器、石斧、砥石、石錘、ヒスイ製玉類などの多量の石器類が出土しました。特色付けるものとして集・配石の遺構で河原石を主に石器の未完成品などが集められ、積み上げられたものが7基あり何かの意図を持ちながら配置されています。又埋甕をともなった住居跡も見つかりました。注目されたのは口唇部に動物の這う深鉢形土器が出土したことです。
 これらのことから、縄文時代の生活や精神文化の面からも重要な遺跡とされ富山県の史跡として指定されました。遺構は覆土され保存措置をされています。
(みずはく「地域学芸員」記)


位置図
(□1/50,000 ■1/25,000 □1/10,000)
 
 
備 考
「宇奈月町史」 昭和47年2月、宇奈月町史編纂委員会
「愛本新遺跡調査概要」 昭和46年3月31日、宇奈月町教育委員会

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