沢スギ 沢スギと暮らし
(さわすぎ)

地区
入善町
地域区分
扇端
テーマ
2
分野
水文・生物

場所
入善町吉原(柳原地内)
所有者・管理者
入善町・入善町教育委員会
電話番号
0765-72-1100
 国指定の天然記念物「杉沢の沢スギ」(昭和48年8月)
 沢杉林は黒東地区の扇端部の窪地で、地下水が湧水する所に見られ、昭和29年には130ha以上もあった。ところが昭和37年頃から始まった圃場整備事業で殆どが水田へと変身した。かつて杉沢は人間生活にとって大変貴重なのもであった。まず、水田耕作では湧水は容易に引水でき、しかも安定した水源であった。したがって早くから水田開発が行われた。また、生活用水としても貴重であった。年中水枯れがなく、冬でも温かい水は食事や洗濯には理想的なものであった。これらの利点を生かして湧水地帯を中心に小さい集落が成立していった。沢スギはまた建築用材や家庭用の燃料としても重宝され、スンバ(杉の葉)などは生活必需品であった。
 このような生活に密着した杉沢も高度成長期には農家の経営拡大や機械化導入のための農業構造改善事業の政策の元に多くは水田と化した。井戸も自家用のものに代わり。燃料もスンバから灯油やガスに変わった。かくして現在残したもの以外は水田化されたのである。
(黒部川扇状地研究所研究員記)
平成17年現在:平成16年の台風により、林内の立ち入りが禁止されています。
平成18年3月より:復旧作業が終了し、通常通り入園できます。

位置図
(□1/50,000 ■1/25,000 □1/10,000)
 
備 考
昭和61年6月20日 「入善町史資料編 1」入善町史編纂室 
昭和62年10月25日 「黒部川扇状地の歴史と風土」奥田新作著

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