[ 2006.4.4 ]

 
   <がまの穂.綿菓子>
 
 がまの穂は、ソーセージのような形をした濃い茶色の部分が成熟すると沢山の白い繊維のセットが無数にひしめき合って、全体としてソーセージの形になっている。穂綿の正体は、この白い繊維。1本1本は細い。集めるとふわふわする。昔の人々は、がまの真綿を敷物に詰めたり、寒い季節用の服に詰めたりしたらしい。そのがまの穂.綿菓子が「園家山ゆう水池」から春の陽光の風に乗って旅立つ寸前なのであろう。(地域学芸員より)


 昔懐かしの童謡「大国様」・・<♪大きな袋を肩にかけぇ〜、大国さまが来かかるとぉ〜、そぉ〜こにいなばの白うさぎぃ〜、かぁ〜わをはがれて赤裸ぁ〜♪ > ・・
 ワニザメに毛をむしり取られた白兎は、「因幡の白兎」でした。ウサギがウソをついてワニザメを並ばせ、まんまと本土まで渡ろうとしたその時、サメに嘘がばれて赤裸にされてしまうというお話。そんな小さな頃に聞いた神話の世界のウサギが大国主命に教えられて「がまの穂」にくるまって治癒した特別な植物なのです。
 その「がま」の水草が、昨年の休耕田に生えていることを発見して自然界の繁殖力の強さに感心したのです。農家にとって稲作は雑草との戦いの中で、丁寧に代掻きをし、除草剤を施し1草なりと生えないように努力の中で、「がま」がこの休耕田に何処から侵入した事か? と感心したのでした。