[ 2006.7.31 ]

 

<ムシトリナデシコ> Silene armeria (ナデシコ科 マンテマ属)
 ムシトリナデシコはヨーロッパ原産の帰化植物。元々は江戸時代に観賞用に導入されたものと思われるが、現在では各地の荒れ地などに生育している。花が美しいので、除草の際にも残されることも多い。葉や茎は粉白色を帯びており、上部の節からは粘液が出て粘る。この粘液に虫が捕まることがあることからムシトリナデシコの名がついた。しかしながら食虫植物ではない。このような粘液は虫へのバリアーであると思われる。
 避けているターゲットの虫は何なのであろうか? 地表から這い登ってくるわけであるから、ヨトウムシなどの昼間は土中に潜んでおり、夜になると出てくる虫である可能性もあるが、アリさんである可能性が高い。チョウチョの来訪のために準備したせっかくの蜜がアリさんに食べられては困るという事なのであろうか。そのように見ると、花の萼筒は随分と長く、長い吸蜜管を持ったチョウチョ専用なのかもしれない。 (地域学芸員より)


<ショウジョウバカマ>


<夕日>