宮野山「カワウソの怪」

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宮野山「カワウソの怪」～経田「錨のドブ」～天神「茶釜の水」～
下中島「蛇気の妖霊」～松倉「観音堂村の観世音菩薩」

チェックポイント周辺マップ

時空を超えたドライブコースの第１チェックポイントは、新川スーパー農道にほど近い「宮野山」です。この地には、ちょっと変わった愉快なお話が残されています。「人間を化かすいたずら好き」で多くの昔話に登場する、カワウソのお話です。

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カワウソの怪

むかし、むかーしのお話です。宮野山の下を流れる山田新用水にカワウソが出るという噂が村につたわりました。村人たちは、「そんなことあるもんかい。」と、誰も信じようとしませんでした。
ところがある日、酒に酔った吉兵ェさんが、その川のふちを通りかかると、前をみても後をみても誰もいなかったのに、ヒョコンと乞食が一人、吉兵ェさんの前を歩き始めました。「おお、こりゃおかしいぞ。この乞食、どこから来たのやら。」と、思いながら、吉兵ェさんは、その後をつけて歩きました。すると、その乞食、道ばたにしゃがみこみました。「あれ、この乞食、何するがやら。」と、みていますと、持っていたわらじで自分の顔をスルッとなでました。
とたんに、乞食の顔は、きれいなかんざしをつけた花嫁さんの顔になりました。つづけて、肩、胸、腰、足と順々にわらじでなでると、長い振袖姿の花嫁さんにかわっていきました。「あれあれ、これはおかしいぞ。乞食が花嫁に化けたぞ。うまく化けたもんだわい。」と、感心しながら、その後をまたしばらくついていきました。
しばらくついていくと、道にまぐそがおちていました。そのまぐその所で花嫁は立ち止まりました。すると花嫁は、どこから出したのか風呂敷と重箱を出し、重箱にまぐそをつめ始めたのです。「あれれ……汚なや、あんなもんつめて、何にするがやら。」と、みていると、その重箱を風呂敷に包んで、シャナリシャナリとまた歩き始めました。吉兵ェさんは、あわてて後をつけていきました。
しばらくいくと、花嫁は、太郎兵ェさんの家に入っていきました。「ありゃ、あのだらあんさま、カワウソの嫁さんもろたがかや。」と、思いながらそっと家の中をのぞいてみました。すると、太郎兵ェは重箱の小豆のついたおはぎをうまそうに食べているではありませんか。「ありゃありゃきたなや。まぐそとも知らないでだまされてくっとるわい。」と、みていました。
すると、「おい、こら、吉兵ェお前木の又にあごのせて、何見とるがい。」と、肩をたたかれて、ハッと我にかえりました。そのとたんに、家や花嫁さんの姿はピシャピシャと消えなくなってしまいました。吉兵ェさんが酒によって、用水ぶちを通った時、カワウソにばかされていたお話です。
（出典：「黒部の昔ばなし」）

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チェックポイント周辺地域のいま

古くから水田開発が盛んに行われてきた宮野山周辺のいまのすがたをご紹介します。いまの宮野山周辺にはどんな名勝・旧跡・施設があるのでしょう？

■天真寺天真寺の庭園は回遊式庭園で、中央に池を掘り、松・桜をはじめ珍しい大小の樹木が植えられていて、四季それぞれの趣があります。

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