(2003.4.1発行)
「みずはく発見ツアー」を行いました

 2002年11月24日(日)に黒部川扇状地湧水群で「みずはく発見ツアー」を実施しました。午前は入善の湧水群、午後は黒部(生地<いくじ>)の湧水群をまわり、地域のボランティアガイドさんと水博物館構想研究会メンバーに、湧水のしくみや動植物、黒部川との関わりなどについて解説していただきました。ここではツアーの様子を報告します。

ツアーコース
黒部市コミュニティセンター(集合)->庄助川->園家山->園家山の湧水池->杉沢の沢スギ->昼食(浜なべ)->生地小学校ビオトープ->生地まち歩き(生地の清水)->黒部市コミュニティセンター(解散)
▼案内人
 本瀬 薫氏(黒部川扇状地研究所)
 中瀬貞吉氏(入善町自然を愛する会)
 惣万洋子氏・能登幸子氏(生地まち歩きボランティア)
 生地小学校6年生のみなさん
 丸田信夫氏(丸田工業・宝石の水)

 <水博物館構想研究会>
  水嶋一雄氏(日本大学文理学部)
  国香正稔氏(立山カルデラ砂防博物館)
  杉澤禎子氏(入善町生涯学習・スポーツ課)


<庄助川>
庄助川は湧水量が多く自然に小河川となったもので、自然の植生が残っている貴重な場所です。湧水の水温は11℃でした(一年中ほぼ一定です)。近くにはわさび田や養殖場もあります。ツアー中に出会った養魚場の方からお話を聞くこともできました。

<杉沢の沢スギ>
沢スギでは、沢スギと人間との関わりや沢スギ内で見られる植物、沢スギの湧水にすむ魚や虫の話を聞きながらまわりました。日本海側と太平洋側とでスギの葉の性質が違っていることに驚きました。沢スギの歩道に見られる模様はナメクジの歩いた跡だそうです。沢スギへ入ったらぜひ足元も見てくださいね。

<浜なべ>
お昼は生地コミュニティセンターで生地のお母さん(惣万さん、米屋さん、能登さん)特製の浜なべをいただきました。カニやタイ、貝、野菜などがたっぷり入ったとても豪華な鍋で、味噌や水も生地のものです。たいへん美味しいと大好評でした。

<生地っ子しょうずとビオトープ>
黒部市立生地小学校では清水を利用したビオトープを見学しました。このビオトープは生地の昔からの環境を大切にしようという子供たちの思いがつまったもので、生地の湿地帯に生育する植物が植えられ、昔から生地に棲むトミヨやメダカがいます。6年生のみなさんに手作りのパネルを使って清水やビオトープの解説をしていただき、苦労話やこれからの抱負なども聞きました(今はカメを飼おうと奮闘中とのこと)。生地町内の掲示板には手作りの新聞が貼ってあり、今後の報告が楽しみです。

     

<生地の清水>
黒部市生地地区には至るところに湧水(清水)が湧いており、共同洗い場がいくつもあります。生地の名水街道を歩きながら清水の由来や歴史などを聞き、清水を味わいました。清水の味は場所によって違っていました。清水は道路より低い位置にあること、気づきましたか?
参加者のアンケートより 〜印象に残ったことや感想など〜
・ガイドさんの案内で見たり聞いたりできてよかった。
・庄助川の黒部川との関わりの話が興味深かった。
・庄助川は地元なのに知らなかった。
・杉沢の沢スギがよかった。
・杉沢や背戸川などまだまだトミヨが生活できる自然が残っていることが印象に残った。
・生地小学校の池の取り組みがよかった。
・40年余り黒部に住んでいたが、知らないことや初めていくところばかりだった。
・浜なべがおいしかった!(多数)