(2004.4.1発行)

「地域学芸員」養成講座スタート
”新川地域の水”というと河川や雪・地下水を思い浮かべる人も多いと思います。その他にも地形や生態系などの自然や歴史・文化など様々な事柄にも水が深く関わっています。この”地域の水”を水博の活動を通して地域の皆さんに発信する方々が「地域学芸員」なのです。「地域学芸員」は「地域学芸員」養成講座で専門的知識や技術を身に付け、フィールドツアーの解説員などで活躍します。
講座では実験やスライドなどを交えた講義とその内容に関係する場所に行って現地を直接体験する現地研修を行い、受講者は4回の講座を受講することによって「地域学芸員」に認定されます。第1期の養成講座は平成16年1月から6月まで4回開催され、33人が受講しています。
第1回養成講座
平成16年1月25日に黒部市吉田科学館において第1回講座を”水環境”というテーマで開催しました。講師には水嶋一雄氏(日本大学)・飯田肇氏(立山カルデラ砂防博物館)・木戸瑞佳氏(水博物館構想研究会)を迎え、午前中に各先生の講義を行い午後からは水博物館構想研究会の委員も解説に加わって現地をバスで巡りました。

〜講義〜

水嶋先生は、人間が使える水と地球全体の水の割合や、過去・現在・未来の水環境、持続的な社会を考えた水の保護・保全など話題を通して水博物館や地域学芸員の存在意義や目指すところについて講義しました。

飯田先生は、水が水蒸気・液体の水・氷(雪)とさまざまな形に変化しながら新川地域を循環していることを、水の循環実験や雲やダイアモンドダストを生成する実験を通して講演しました。

木戸先生は、水博物館が観測している清水のデータや雪などの分析結果などを使って、地下水と湧水・自噴水の関係や雪・川・湧水の化学成分の違いなどを中心に講演しました。

〜現地研修〜

地表の水の流れを見るため黒部川下流を見に行きました。受講者は黒部川が蛇行して流れていることや河口が砂州が発達で非常に狭くなっていることなどの解説を受けた後、荒俣海岸に移り海から空へ水が蒸発する様や海岸浸食・海岸植物などの話を聞きました。次に訪れた生地地区では、湧水と自噴水の違いを実際の清水で体験しました。

その後、吉田科学館に戻り一見真っ白に見える雪の断面にインクをかけ、そこに現れた雪の層の理由を解説しました。また雪の結晶を見たり雪に関わる不思議をじかに体験しました。
第2回養成講座
2月29日には第2回養成講座が行われ”扇状地と人”というテーマで縄文時代から江戸時代にかけての扇状地の歴史を学びました。現地研修では、宮野用水や愛本新用水を中心に取水口跡などを訪れました。



今後
第3回講座は4月17日に”大地の成り立ちと地形”と言うテーマで扇状地の形成メカニズムや過去の扇状地・河川や土砂の流れなどについて、第4回講座は”扇状地の生態系”というテーマで湧水の川にのみ生息する魚や、扇状地特有の植物などを中心に開催されます。これらをすべて受講した方を「地域学芸員」に認定し、今後の水博の活動に積極的に参加して頂く事になります。まずは、夏に開催を予定しているフィールドツアーのボランティア解説員です。講座で得た知識を生かす絶好のチャンスとなるでしょう。

「地域学芸員」養成講座は秋以降も引き続き開催する予定です。我こそはと思う方は是非受講して、共に水博を作り上げていきましょう。
★みらーれTV
「水博物館」コーナー

平成15年11月からみらーれテレビの行政・コミュニティチャンネル(5ch)内で水博物館コーナーの放送が始まりました。水に関することだけではなく、地形や雪などの話題を毎回テーマを変えながらお伝えしております。4月からは、他のコーナーと交互に2・3週に1度の割合で放送することになりました。

詳しくはみずはくホームページをご覧ください。
http://www.niikawa.or.jp/mizuhaku/