「地域学芸員」が案内する名所めぐり、みずはくツアー報告

 
愛本刎橋架橋350年 (三希月廻(愛本刎橋)より)

 
 
2012年9月15日(土)
扇状地の歴史を訪ねよう

  まだまだ残暑厳しい中「扇状地の縄文遺跡や古代荘園跡を巡る」をサブテーマに、歴史ロマンを求めてみずはくツアーのスタートです。旧北陸道上街道(夏街道)の浦山宿、愛本橋を経由し舟見宿をバスで通過、途中参勤交代をイメージして架橋350年の愛本刎橋や漢詩碑、愛本橋にまつわる解説を聴きました。旧石器時代に形成された舟見野台地と縄文中期の不動堂の説明を聞いた後、古代から続く『米作り』により今も黄金色に輝く扇状地を見渡せる下山展望台へ。山々は霞んでいましたが旧扇状地の十二貫野台地、柵山台地と舟見野旧扇状地、新幹線工事が伸びる現扇状地の佇まいを眺める事ができました。
 午後は沢スギに展示してある海底林の樹根を見てから、涼しい園内の木道を抜けて海岸に。雑木林が一万年前頃、洪水の繰り返しで海底林となり何千年も経ても樹根が残ってそれが漁礁になるなんて、「不思議発見」。風力発電のプロペラを目印に海岸沿いを行くと時代名に記憶のある平安前期、鎌倉前期の荘園跡、じょうべのま遺跡でした。解説を聴きながら今日巡った新旧扇状地の遺跡の遺構、遺物や旧河川跡などは、もし圃場整備が無かったら未だ田圃に埋れたままかも?と偏に感心しました。
 黒部川の恵み名水群を「高瀬湧水の庭」、「清水庵の清水」「弘法の清水(四十物町)」と順に廻り、のどの渇きを潤しました。「海底地下道」を通り抜ける涼風が暑さに耐えたご褒美となり帰路に着きました。古代人も「水との関わり」を大事にしてきたことを想い、現代人として守り伝えていくことの大切さを感じた一日でした。(Y.I)


■解説ガイド・スタッフ
  中村 康昭 さん
  木村 俊哉 さん

■水博物館推進室  
  稲葉  泰一  
  長谷川憲二 

 

■ルート

  黒部あるぺん村−>愛本橋周辺(愛本刎橋)−>旧北陸街道夏街道(バス)−>不動堂遺跡−>下山展望台−>園家山キャンプ場(新川広域圏勤労青少年ホーム、昼食)−>杉沢の沢スギ−>吉原海岸(入善沖の海底林)−>じょうべのま遺跡−>高瀬湧水の庭−>生地の共同洗い場(清水庵の清水−>海底地下道−>弘法の清水)−>名水街道(バス)−>黒部あるぺん村



第2号住居跡の中にて
  
下山展望台「グルっと見渡しましょう」

十二貫野台地を望む黄金の扇状地


棚山台地を望む舟見野旧扇状地


伸びる新幹線と黄金の扇状地

離岸堤が続く吉原海岸

じょうべのま遺構と河川跡

爽風抜ける海底地下道

弘法の清水(四十物町)

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